「覚悟」を決めた時
「最期まで自分らしい生き方を」
―この言葉は、がん・難病緩和ケア専門施設「elama」の基盤となるコンセプトワードである。
このコンセプトが生まれた背景には2人の男の「覚悟」があった。
創業に至るまでの東社長と藤田社長の熱い思いや、
順風満帆にはいかなかった創業のエピソードを聞いた。
(以後、敬称略し東、藤田と呼ぶ)
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もともと、二人は20~30代の時、三重県の同じ医療現場で働いていた。
東は看護師として、現場を取り仕切っていた。
一方の藤田は、マネージャーやコーディネーターとして、
現場をスムーズに進行させる役割を担っていた。
仕事自体には不満はなかった。
たくさんの気の合う仲間や、気にかけてくれる上司、
そして何より、
助けを要する人に寄り添い、その人の人生を少しでも良くするような医療の仕事が
自分たちには合っていると感じていた。
しかし、その後二人は職を辞することを決意する。
「自分たちの能力をもっと活かせる場所があるのではないか?」と、
東は新しいタイプの医療サービスを提供する法人を設立すべく独立。
藤田も全く異なる業界の経営に携わることを選ぶ。
藤田は転職先の奈良県の会社で経営の一端を担い、
その会社では、
なくてはならない存在に。
しかしながら経営に深く関われば関わるほど、
藤田の心の中には、
「この事業の未来には本当に希望があるのだろうか?」
と疑問を抱くようになる。
時を同じくして、
東が創設した会社は、はじめこそ順調だったものの、
徐々に雲行きが怪しくなっていく。
それまで、いかに自分が大きな組織の傘の下で仕事をしていたのかと痛感し、
「これは次の手を考えないと」と悩んでいた。
【後半へ続く】