「覚悟」を決めた時
思案に思案を重ねていく中、
東は自身の経験からある問いが生まれる。
「現在の介護や看護施設は、
本当に困っている人々へ適切なサービスが提供できているのだろうか?」
この問いを解決するため、
東は多くの経営コンサルタントや経営者、オーナーにアイデアを投げかける。
その過程で、興味を示した人間の1人が旧同僚でもあった藤田だった。
藤田は
「もしかしたら、より良い未来が描けるかもしれない」と直感が働き、
2人で事業を起こすことを考え始める。
さらに多くの人々との対話を通じて、
ある医療戦略コンサルタントとの出会いが彼らの計画を現実のものにする。
そのコンサルタントが語る。
「がん・難病に特化した緩和ケア介護施設はどうでしょうか?」と。
この提案に対して、当初は「騙されているんじゃ…」と半信半疑だったが、
議論をすればするほど、二人のビジョンの解像度は上がる。
いつしか、疑心は確信に変わっていた。
それまでの仕事を辞め、
全力で新しいスタートに踏み出すことを決めた二人。
その瞬間が、後にRubicon(ルビコン)と名付けられる会社名の礎となる。
まさにルビコンを渡る※「覚悟」の瞬間でもあった。
注:「ルビコンを渡る」とは、ユリウス・カエサルがローマの境界であるルビコン川を渡った出来事から来ており、一度行動に出れば後戻りできない決定的で重大な決断をすることを意味する。