【4】「鷹の眼」「虎の眼」:経営の現実(後編)
歯車が合い始めた。
そう感じたのは、
2人の特性をお互いが感じ取り始めてからだ。
「鷹の眼」──
これは高い視点から物事を俯瞰する力だ。
藤田は全体の流れを把握し、運営のシステムを整えることに長けていた。
彼は総務、経理、事務などの後方支援といったディフェンス的な役割を担い、
組織の基盤を固めていった。
広い視野で物事を見渡す彼の能力は、経営において不可欠だった。
「虎の眼」──
これは目の前の課題に対して果敢に突き進む力だ。
東は具体的な問題解決に情熱を燃やし、困難な状況でも粘り強く行動することができた。
看護師などの現場スタッフの育成や、利用者さんのサポートなど、
Face to Faceで対応するようなオフェンス的な仕事を担い、現場の最前線で活躍した。
こうして、
藤田の広い視野と東の突進力が組み合わさることで、
彼らは医療経営という未知の領域、
それも未知の場所「広島」で
少しづつではあるが
着実に前進していた。
二人の異なる特性が、
互いを補完し合い、尊重し合うことで、
彼らは数々の難局を乗り越えていった。
藤田の広い視野と
東の突進力が織り成すチームワークは、
まさに完璧な歯車のように噛み合い、
elamaを前に進めていったのである。