【番外編】フィクサーK: elamaの鍵を握る男
フィクサーとは…、
これは英語の”Fixer”に由来していて、
”fix”する人、
つまりは「修理する人」や「取り繕う人」といった意味。
現在ではそれが転じて「問題を解決する人」と広く使われるようになった。
フィクサーという役割は、
その使われ方によって「良い意味」でも「悪い意味」でも捉えられることがある。
良い意味でのフィクサーは、
・困難な状況を打開し、プロジェクトやイベントを成功に導くために不可欠な存在
・問題解決のプロフェッショナル
と、多くの人々に信頼されている様子。
一方、
悪い意味でのフィクサーは、
・「ザ・黒幕」
・どんな手段を用いても目的を達成する
といった少々悪代官のようなイメージ。
実は、elamaにもフィクサーがいる。
その男を形容するには「問題を解決する人」という
”Fixer”もともとの言葉の意味が最も適切か。
ここでは、フィクサー「K」と呼ぶことにする。
まだelamaがスタートする1年前のこと。
「K」の元に、事業について相談しにきた東と藤田。
「現在の介護や看護施設は、
本当に困っている人々へ適切なサービスが提供できているのだろうか?」
と東と藤田は思案し、他があまり手をつけたがらない領域の
新しい看護・介護施設のプロジェクトプランを「K」懇々と話した。
正直、細かい部分は粗が目立つプランだったように、今となれば思う。
しかし、2人はスタートすれば必ずやり遂げるという「覚悟」だけは決まっていた。
引用:elama創業ストーリー episode.0(後半)より
その瞬間が、後にRubicon(ルビコン)と名付けられる会社名の礎となる。
まさにルビコンを渡る※「覚悟」の瞬間でもあった。
注:「ルビコンを渡る」とは、ユリウス・カエサルがローマの境界であるルビコン川を渡った出来事から来ており、一度行動に出れば後戻りできない決定的で重大な決断をすることを意味する。
プランの詳細よりも
2人の「何としてでも、やる」といった覚悟を
「K」は肌で感じ取った。
ある種、本能的な感覚で。
「K」は静かに、まっすぐにこちらを見ながら語る。
「お2人のプランは、社会的に非常に意義深いことです。ただし、このプランで走り出すと、必ず息切れするでしょう。今から私がお伝えするプランで、無理なく走れるようになってからにしませんか?そのプランというのはですね…」
3人で顔を突き合わせて、プランについてディスカッションする。
東と藤田が「K」の話に、同時に膝を打ったところで話が終わった。
かくして、それまで多種多様な事業を手掛けていた「K」が、
遂に自分の会社を立ち上げた時の、第1号のクライアントとして
2人の事業を請け負うことになった。
いや、コンサルを「請け負った」という表現は不正確か。
「K」が2人と「共に歩むこと」を決めた瞬間であった。
(続く)