【7】経営の壁:elamaの羅針盤③
要は「議題の深掘り」以前の問題。
「会議をどう進めるか」自体を考える段階だった。
そこで東は、
自ら「事項書」を作成することにした。
議題を事前にまとめて出席者へ配布し
その内容に沿って進行するよう、全員へ呼びかけた。
東がまとめた事項書どおりに議事を進めるため、
自然と会議はスムーズに回り始めた。
スタッフ全員にも「報告・連絡・相談」という
業務の基本が徹底され、会議を重ねるにつれ
これまで見られなかった、スタッフの業務姿勢にも
変化と改善の兆しが見えてきた。
「確実に、前進をしている。」
東はそう手応えをつかんだ。
その思いが強まるほど、
会議中、東の熱は高まり、
ときには厳しい言葉も飛び交った。
そして、その甲斐あって成果が現れた。
elamaが利用者へ届ける
モノ・コトが、形を帯び始めている。
そんな手応えがある。
…ところが、
藤田だけは別の視点で
この流れをひそかに観察していた。
そう、鷹の目で。
(続く)